去年増田明利氏の『今日、ホームレスになった』という本を読んだのですが、 何でもその続編が出たらしい。 前作が非常に興味深い内容だったので、続編を早速購入してきました。

今回も現代の日本の社会を抉る生々しい内容。 これを読むと日本って恐ろしいなとつくづく思います。 一旦派遣や日雇いになるともう正社員への道へ進むのはほぼ不可能。 意欲があっても採用がない。 採用がないから、派遣で生活を維持するしかない。 派遣期間が長ければ長いほど正社員への道が遠のいていくという悪循環。
この悪循環は個人の力では断ち切れない。 国や社会が何とかしないと。 ハローワークで職を紹介したり職能訓練をさせたりするだけでは不充分なのです。 だって、企業側の雇用意識が変わらないんですからね。 派遣で安上がりに済ませようという意識がなくならない限りはどうしようもない。
本の中で紹介されている15人のうち、 元正社員だったけれどリストラされて再就職がままならずに 仕方なく派遣や日雇いをしているという人がいました。 意欲もあるし、経験もあるのに、企業がそのスキルを求めていないと もうどうしようもない。 営業や事務だと再就職は絶望的みたいですね。 私はIT関係なのでそれよりはまだ若干状況はいいような気もしますけど、 それでも非常に厳しいということは 今から肝に銘じておいた方が良いかもしれません。
本の中で取り上げられている人の中では 自業自得という人もいます。 大学卒業してフリーターで数年過ごした人とか、 夢を追いかけて諦めた人とか、 そういう人ははっきり行って見通しが甘すぎたとしか思えません。 雇用する企業側もそういう人との面接時には厳しい言葉を投げかけるようです。 まぁ、その通りなので同情はしません。
とにかく、今正社員や契約社員、派遣として働いている人全てに 読んで欲しい一冊です。
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2009年06月28日 |
本 |
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